「そっか。でも、萌ちゃんのこと知ってたよ?隼人から聞いたことあるし。」


「え!ほんとですか?」


「なんで嘘つかなきゃなんないの(笑)」


うれしい。


隼人、あたしのこと話してくれてたんだ…。


「いい子だって言ってたよ。」


「彼女だとは言ってないんですね…。」


ううんって言って…ほしい。


「…うん。ごめんね。」


やっぱりそうだよね。


「大丈夫です。気にしないでください。」


そんなわけないけど。


そう言わなきゃ、絶対泣いてしまうから。


「そう?ならいいけど。これ、俺のアドレス。大丈夫じゃなかったら連絡してきな?」


「え、いやほんとに大丈夫です。ありがとうございます。」


あたしは生徒手帳だけを受け取って教室に戻った



…つもりだった。