「なんやなんや?お前ら知り合いやったんか!」
なんで時雨くんが凌牙なんかと...
「まぁまぁ、汚い部屋やけど入り」
「凌牙の部屋じゃない!」
「いったー!もう、叩くなやー痛いやん」
痛くないくせに
ヘラヘラ笑ながらさりげなく家にあがる凌牙を
もう一発叩きたくなったけど
横に時雨くんがいるのを思い出してやめた
「お茶飲んだら帰ってね」
「嫌やしーなぁ?亜希」
え...亜希?
時雨くんって亜希って名前なの?
じゃあ“時雨 亜希”?
「時雨...亜希っていうの?」
「何や、知らんかったんか?」
やっぱりそうなんだ
でもやっぱり
時雨って言う名字も亜希って名前も
全て時雨くんのためにできた名前であるかのように
凄く時雨くんに似合う名前だった
最近はよく顔が名前のイメージに負けてる男子が多いけど
時雨くんは名前に全然負けてない
だって
「あれ?お前に名前いってなかったっけ」
ふっと微笑む時雨くんの顔は
とても綺麗でかっこよかった
けど出会ったときと変わってないのは
やっぱり凌牙と比べても分かるように
目に光を宿していない