これをどれだけ素直に言葉にできれば楽なのだろう
今の状況は一番辛い
だって恋心に気づいてそのうえ片思いの相手が
女の人と歩いている
もうその人の隣は空いてないのだから
「あれ...二宮?」
ああ。これが亜希くんならばどれだけ嬉しかったのだろう
「りょ....が....」
「おい、落ち着け!俺が泣かしたみたいになるやん!」
大きな声でそんなこと言うからさ
みんな私たちに注目してるじゃんか
.....あの二人も
横目でチラッと亜希くんを見ると
何でかな
怒った顔をしていた
私はその空気がたまらなくて
「あっおい二宮!待てって!」
そこにとどまる勇気がないから
逃げ出した
ほんとに私って逃げるの好きだなって
自分でも思う