それからずっと三人で話していたんだけど
さすがに熱が下がったとはいえ38度あるから
だんだん座っていることがしんどくなってきて
冷えピタをおでこにはろうとしたけど
「嘘でしょ!?」
ちょうどさっき使ってたのがラストだったらしい...
薬を飲むにもまだ時間が早いし
のど飴もちょうど切れている
しかも凌牙の話は長い
だんだん視界が歪んできて
「ほんでなーって...二宮?おい、二宮!!」
私は意識を手放した
“真由....”
誰かが私を呼んでる
“何?__”
夢を見ているときいつも思うこと
正夢になる夢って大体が肝心なところだけ抜けてるよね
けど今回は夢なのに
“こっち向いてみ”
“だからな...ん...”
私は夢のなかで誰かとキスをしてて、
その感触が相手の体温が
夢なのに分かる
なんだかとても不思議な夢を見た
「...や....に..みや」
遠くの方で声がする
凌牙とは違う
胸に響く心地のよい低い声が
そっと目を開けてみるとそこにいたのは
「お前、倒れるまで無理するって、バカか?」
凄く不機嫌そうな顔をした時雨くんがいた