介「…………………………ャン、…デチャン、
楓チャン!!!」
「…………………?」
いつの間にか荒くなっている息。
ハァハァと肺を動かしながら、気付けば汗が顔を伝っていた。
「な、ん…ですか?」
介「だいじょーぶ?
今過呼吸になってる。」
過呼吸…
ダメだな、あたし。
思い出すと、すぐ息が荒くなる。
ハァッハ、ァ
ハァッハァ、
ハァッ…ハァ、
突然介君があたしの口を押さえる。
介「ほら、鼻で息して。」
まるで、子供に話しかけるように。
優しく、切なく、悲しげに。
そんな声だった。
ふーっ、ふー、ふー…………
介「落ち着いた、ね。」
あたしの口から手を離しながら、少し声のトーンが落ちていた介君が言った。
介「──────────…。」
「え?」
介「なんでもない。
じゃぁ、オレ上に戻るねー。」
最後の言葉を発したのはいつもの介君だった。
でも、ボソッとつぶやいた声、あれは……
“そういえば誠も………
…いや、オレはもう考えるのはやめたじゃねぇか。
考えたってどうせ─────…”
誠と兄弟になれるわけじゃない。