「オ、マエ…!

いや、アナタは…Cー14082!!!?」



「その名前は好きじゃないわ。」



軽く睨むと、男はひきつった顔を見せた。



「こりゃあ、好都合だ。

なぁ、オレの組にこないか?


ウチなら存分に───────」



男は気色悪い笑みを浮かべていた。




「な?

こいよ。」




私は男に歩み寄る。


そして、思いっきりそいつの腹を殴った。





「ウゴフッ!!」







…許せなかった。




彼が私を勘違いしていることが。











〈ウチなら存分に、人を殺せるよ。〉











…冗談じゃない。






「誤解しないでもらえるかしら?

私は人殺しが好きなわけではないの。



…族潰しが、単に趣味なだけよ。」




そう言って、出口に向かい歩いていった。







「楓!!!!!!!!!」




出口から聞こえる、聞き覚えのある声。


これは、私じゃ厄介ね。



だいたい見当がついた私は、すうっと意識を引いた。




と同時に、体が倒れる。




私には、誰がきたか分かった。








こっちに走ってくる姿は、やっぱり逆光で見えなかったけれど。