**カズサside**


初めて筏井楓から受け入れられるような交代の仕方をした。

ゆっくりと目を開けると、そこには見慣れた人たち。

時雨「本当に目が紫なんだな…」

目が紫に変わるのは、人体実験の影響。
無理矢理人格を造ろうとしたから、目の色素に異常が出てしまった。

「…私になにか用かしら。」

陸「お前が黒斬の連中に拉致されてから、なにをされたのか聞きたい。」

「聞いてどうするの?」

介「なにか手掛かりはないかと思ってね~」

誠「俺達も筏井さんをここまで痛めつけられちゃあ、黙ってるわけにはいかない。」

メンツを保つためってわけ。

「生憎だけど、筏井楓の記憶を消したのは、私よ。」

霧矢「そんなことができるのか。」

「…同じ身体だもの、当然じゃない。」

本当は、少し違うけどね。

「何故消したのか。
その意図を汲み取ってほしいわ。」

時雨「俺達に知られたくないってわけか。」

「そういうことよ。
で、知られたくない事を貴方達に話すと思う?」

陸「思わないな。」

明らかに、彼らはあのことを知っていた。
この体の秘密を。

きっと…兄さんの差し金だわ。

時雨「そうか…
呼び出しておいて悪いんだが、楓に変わってくれねぇか?

話したいことがあるんだ。」

「…告白の事ね。
勿論、断るつもりなんでしょう?」

時雨「…っなんで知ってんだよ!」

「さっきも答えたはずよ。同じ身体なんだから当然でしょ。」

薬で押さえつけられなければ、ね。