**楓side**


─────…ピッ

ピッピッ

「…………っう、」

目を開けると、真っ白な天井があった。
ここは…どこ?

傷が痛む。

…あ、そうだ、あたしは…

監禁されて、それから…どうなったの?
その間の記憶がない。

あたしは、なにを…


なにをされたの?



ガラッ

扉の開く音がした。


時雨「…っ楓!?」

「し、ぐれ、くん────…」

時雨君を見た瞬間、涙が出てしまった。


どうしてこんなに安心するんだろう。

どうしてこんなに切ないんだろう。


どうしてこんなに、好きなんだろう。


「あ、ぁあッ…ぅあぁぁ…っ」

時雨「ごめん、怖かったよな…
守ってやれなくて、ごめん…っ

ごめん、楓…っ!!」

「時雨、くんっ…!

怖かった、怖かったです…!!」

なにがあったかは覚えてないけど、その出来事は確実にあたしに恐怖心を植え付けた。

そして、それを忘れさせてはくれなかった。


時雨「もう、大丈夫だから…!
俺が、守るから…!!」

「時雨君…っ!」

時雨君は、あたしを抱き締めてくれた。

あたしは、どんなに傷口が痛くても、その腕を離すことはなかった。

陸「…あの部屋で、なにがあったんだ?」

誠「陸、それは今聞くべきじゃないよ。」

陸「しかし…」

介「楓ちゃんは起きたばっかりなんだから、まだ無理だよ。」

「あの…あたし、なにがあったか全く思い出せないんです。」

時雨「なに…!?」