**時雨side**


「これで三日目だぞ!?」

陸「落ち着けよ、時雨。」

「落ち着いてなんかいらんねぇよ!!
楓が三日間も行方不明なんだぞ?!」

ただいま倉庫で会議中だ。
あの日楓が飛び出してから、三日。

学校も休み、家にも帰らず、つまり楓は行方不明だ。

陸「島田にさらわれたか?」

介「いや、楓チャンが飛び出してからオレたちが後を追うまでの短時間で、島田に楓チャンを倒せるとは思えない。

なんせカズサがついてんだよ?
そんな簡単に倒せるわけないって。」

陸「それでも楓は消えた。
カズサでも、勝てなかったってことか。」

そんな…
じゃあ俺達に勝てるのか?

カズサはほぼ俺達と互角だった。
いや、それ以上かもしれない。

「手掛かりもない、勝てる見込みもない。
どうすりゃいいんだよ…!」

クソッ!
こんなもんかよ。

こんなもんなのかよ、雲龍は。

大切なヤツ1人守れねぇ。
ホンット、情けないにもほどがある。



どうして俺はこんなにも、無力なんだ─…



霧矢「…いや、手掛かりならある。」

霧矢の一言で、希望が見えてくる。

霧矢「このところ、見かけないと思わないか?」

「あ?
誰をだよ、はっきり言え。」

霧矢「…前も楓に接触してきただろ。」

「だからはっきり言えって!!」

霧矢「頭を使え。
焦るな。

焦って答えを見誤るな。」


…前にも楓に接触してきた。

このところ、見かけない。

楓を欲しがるヤツ。


「なるほど…黒斬、か。」

霧矢「さすが時雨だな。」

よりによってアイツらかよ…!!
最近いろいろと黒い噂を身にまとっているヤツらだ。

だから楓を守りたかったのに…!

誠「確かに、ヤツら楓を欲しがってた。」

介「それだけじゃない、『楓をうまく使う』とも言ってたな。」



楓が、危ない…!