ドクンッ




「そんなこと…したく、ない。」

「…ははっ!
ようやく少し“ロック”が解けたかな?」

「…なんのこと、ですか?」

「はい、鏡の中の自分を見てごらんよ!
ホンット面白いねキミは!!」


そういって、鏡があたしに向けられる。


ウソ…



どうして──────…















         、、、、、
どうしてあたしは、笑ってるの?

















「前はカズサちゃんだったから出てこなかったのか~!

そっかそっか!
なるほどね!!

つまり“想定外”はキミだったわけだ、楓ちゃん。」

想定外…?
どういうこと?
なんのこと?

「じゃあキミが消えれば…ロックが完全に外れ、『彼女』が目覚める。」

「『彼女』…?」

「…どうしても仲間にならないというならしょうがないね。

少しずつロックを外していこうか!
キミが壊れても俺達の手に負えないからね、C-14082?」

違う。

チガウ。

そんな名前じゃない、あたしは…


あたしは、筏井楓。


「最初のヒントだ。
キミの幼い頃の記憶が無いのはどうしてでしょう?」

そんなの…忘れてるだけ。
そうだよ、忘れてるだけだよ。

「じゃー次。
キミの記録はどこから始まってるでしょう?」

それは、あの事件から…

あの事件のショックで両親のことを忘れた。
そういうことだ。