**楓side**


気付いたら、朝になってた。


あれから記憶がない。

カズサが無理矢理出てきて、それからどうしたの…?


学校に行くのが怖い。

時雨君に会うのが怖い。

あたしは、どうすれば…。

そんな事を考えながら、外に出るためドアを開けた。


ガチャッ

時雨「おはよう。」

……………。

バタン


…なんだろう、前にも同じようなことがあった気がする。

どうして皆いるの?!

どうして会いたくないときに会っちゃうの!?

ほんっとに間が悪いんだから…!

深呼吸をして、もう一度ドアを開ける。


ガチャッ

時雨「何で閉めるんだよ。」

………。


やっぱり無理!

話せないよ…!

だってもしかしたら、昨日カズサの存在がバレてしまったのかもしれない。

それとも、昔のことが…?

時雨君はきっと、今日詳しく聞くために来たんだ。

あたしは時雨君に…嫌われるんだ。

そんなの嫌…。
嫌われたくない、たとえ敵でも。

いずれ時雨君の敵にならなきゃいけないとしても、少しでもいいからあたしは…

時雨君に、好かれていたい。


だって────────…













時雨君が、好きだから。