時雨「ん……あ、楓、起きたのか。
具合はどうだ?」
「あ、あの、え…っと……
だ、大丈夫です、はい。」
しどろもどろになりながら、やっと口を開く。
時雨「そうか。
学校、どうする?
俺達は楓が行くなら行くけど…」
「あたしは頭が悪いので、行きます。
これ以上休んだら、授業の内容について行けないので…
あ、でも、時雨君たちは無理に来なくても大丈夫ですよ?」
時雨「いや、いい。」
「でも迷惑でしょうし…」
時雨「迷惑じゃねーから、別に。」
「でもほんとに大丈夫ですから…」
時雨「~~~~~~~あぁぁ、もう!
だから、察しろって!
…楓が心配なの。
側にいてぇの!
…側にいなきゃ、守れるもんも守れねぇだろ……。」
あたしの顔を覆う手のひらの隙間から見えた、時雨君の赤く染まった頬。
なんだか、さっきよりずっと胸が苦しくなってしまった。