**楓side**
目を開けると、部屋の天井が見えた。
あれ、あたし確か公園で倒れたはず………
時雨「楓ッ!!」
「────…時雨、くん?」
そう言葉に出したとたん、頭がズキッと痛んだ。
「いっ………」
時雨「平気か………?!」
「どうして、あたし、ここに………」
時雨「お前公園で倒れたんだぞ?!
心配すんのはあたりめーだろうが!!
でも、大事になれば困るのは…世間から悪く見られるのは楓だから、救急車は呼べなかったんだ。
…わりぃな、かえ「なん、で………?」
あたしは、つい口を挟んでしまった。
時雨「楓?」
「どうしてあたしを助けてくれたんですか?
守る対象だからっていうのはわかってます。
でも、救急車呼ぶとか、そんなに心配しなくてもいいでしょう?!
あたしは《仲間》なんかじゃないのに、どうしてそこまで─────…!!!?」
そういった瞬間、時雨君の耳がぴくり、と動いた。
時雨「仲間じゃないなんて、誰が言った?」
「…あたしは、できるなら仲間になりたいです。
でも、あなたたちに認めてもらえなければ意味がない!!!」
時雨「いつ俺たちが認めないと言った?」
「言ってませんよ。
でも、《認める》とも言われてません!
それに、実際介君は認めてないじゃないですか!!」
時雨「は?」
あたしが叫ぶと、介君はバツの悪そうな顔をして、あたしから顔を逸らした。
「…あたし、介君に言われたんです。
守ってもらう対象=仲間じゃないって。
だから誤解するなって。
───…でも、あたしは仲間になりたい!
皆さんが背負っている重りを、皆さんの枷をとってあげたいんです!!
きっとあたしには、それができると思うから……」
陸「オマエなんかに、理解できるって言うのか?」
陸君が、冷めた目であたしを見つめる。
絶対めげない。
あたしと同じ道は、たどらせない。
「………わかりません。
あたしは皆さんのことぜんぜん知らないから、まだ何一つわからない。
でも、苦しみくらいは分かち合える……
少しは、皆さんの分も背負えます!!」