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『俺も、殺してくれ…!』



絞り出すような声と、目の前で泣き崩れる男の子。


あぁ、またこの夢か。


あたしは男の子を見下ろしながら思った。

男の子の顔は見えない。

幼い声は、当時のあたしと同じくらいだろう。


あたしは男の子から視線を逸らし、炎に包まれた部屋をでた。


出たところで、火がないところはない。


服を見れば、火とは違った朱が服に鮮やかに散っていた。



…広い、とても広い屋敷。

その中を、あたしはフラフラとさ迷う。


フラフラ、フラフラと。


早く外に出ないと、死んでしまう!!

そう思ったのに、体は屋敷を徘徊するばかり。


まるで“死んで構わない”とでも言うように。