潤ちゃんと入ったカフェは、5月の穏やかな気候と、公園の売りでもあるイングリッシュローズガーデン内に設置されてるとあって、平日の昼間にしては人が多く、人気を避けたい俺達はテラス席に座る事にした。

「ここからだと薔薇が見えるし、香りも楽しめますね~」

オーダーしたケーキセットがテーブルに並べられるのをキラキラとした瞳で見つめながら潤ちゃんは、ね?と微笑んだ。

――――可愛げがない、ねぇ…

そうだね、と俺は相槌をうち、コーヒーにミルクを入れて混ぜる。

「ヤバい、美味しそう!!
頂きまーすっ」

店員がごゆっくり、と頭を下げるのと同時に、潤ちゃんは両手を合わせて、右手にフォークを持った。