中でも、一番目を引くのはやはり、あの薄く微笑みを浮かべた潤ちゃんの写真。


青空を背景に、レンズに向かって柔らかく微笑む彼女は、言葉を失う程に綺麗で、儚くて…


写真として見てもドキリとする。


…同時に、強烈に惹かれる自分を自覚してしまった。


とっくに冷めたコーヒーを口に含み、椅子の背もたれに体重を掛けて天を仰ぐ。


ーーー…手に入らない恋なんて、この年になってするなんて思ってなかった。


だけど、そう意識してしまったらもう、引き返せない。


そしてまた、潤ちゃんの様々な表情を切り取った写真を1枚ずつ確認していったのだった。