「入賞って言っても、審査員特別賞だからさ…
さすがに大賞とかだったら報告するけど」


多分、いやきっと、大賞だったとしても敢えて報告はしなかっただろう。

それにしても、管理部の部長がまさかあのコンクールを知ってたとは。
息子さんがカメラを趣味にしているとか聞いた様な気がするから、その流れでだろうか?

結局これと言って食べたいメニューが決まらず、日替わり定食の食券を購入した俺は売り場の前を離れた。

「入賞した写真、見せて貰っても良いですか?」

「…見せたくない」

え?と呆気に取られる潤ちゃんを残し、食堂のおばちゃんに食券を渡しに行き、出来上がりを待つ。

背後に目を向けると、潤ちゃんが腕時計で時間を確認しているのが見えた。

もうすぐ会議が始まるのだろう。

視線を上げた潤ちゃんと目が合った。