公園の最寄り駅で別れると、普段ならどこかに夕陽を撮りに行くのだが、今日は真っ直ぐ自宅に戻って来た。
リビングに入る前に寝室に寄り、パソコンの電源を入れる。
起動するのを確認してから、キッチンでコーヒーを淹れた。
兄の結婚を期に始めた一人暮らしも、もう5年位になるだろうか。
そろそろ実家に顔出さないと、また母親からの電話がうるさくなる頃だな。
淹れたばかりのコーヒーを手に、寝室に戻るとパソコンは既に立ち上がっていた。
「さーて、どう撮れたかな」
カメラからSDカードを取り出し、パソコンに差し込んだ。
撮影したら必ずその日の内に内容を確認し、外付けのハードディスクに保存する様にしている。
今回は特に、好きな写真家が審査員を務めるコンクールに出展するつもりで撮ったから、成果が気になっていた。
マウスをクリックし、画像を開いて――…
「うわ…」
俺は言葉を失った。