「だって、もっとカメラの事教わったりしたいし!
柘植さんだけなんですよね、私の友達で写真が趣味の人。
…って、友達ってくくって良かったですか??」


構わないよ、と答えると、潤ちゃんは照れ笑いを浮かべ、そろそろ帰ります?と踵を返して公園の出口に向かって歩き出した。


―――…俺、多分今何かを期待してた。

恥ずかしい!
のと、同時に。
ダメだろう!
と思う。

庭園を出て、芝生が広がる広場を歩く彼女を追い掛けながら苦笑する。


彼女は、職場の後輩で。
カメラと言う共通の趣味を楽しめる友人で。

彼氏も居るんだから。

深入りしちゃダメだ。
線引きをキチンとしないと。

言い聞かせる様にそう確認して、早足で彼女の隣に並んで歩いた。