「柘植さん、私、男友達って居ないんです。
何を話せば良いのかとかも分かんないし、失礼な事言ったりして気分害したかも、とか思って…
それと、あの、折角ご馳走して下さろうとしたのに断ってすみません」

「―…あぁ、いや、別に怒ってないし、良いんだけど」

この距離で見つめられる方がちょっと困る。

「でも、私、奢られるのとかは苦手なので…
友達同士で奢ったりって、あんまりしないでしょ?」

「誕生日とか、お祝い位だね」

「でしょ??
私、柘植さんとは先輩後輩としてだけじゃなく、仲良くなりたいんです。
女の子だから、みたいな扱いはしないで欲しいんです」


先輩後輩としてだけじゃなく??

その言葉に気持ちが浮き足立つ。