「そりゃ、30のオッサンと薔薇ってのは合わないモンだろー」

まだ自分ではそこまでオジサンという意識は無いが。

「あはは、いやーオッサンとは思いませんよ~
柘植さん結構クールじゃないですか、普段。
なのに薔薇って、似合わないなぁって」

「クールって訳でもないんだけどなぁ…って言うか、笑い過ぎだって。
ゆっくりし過ぎたね、もう出ようか」

立ち上がりながらケラケラと笑う彼女の髪を左手でグシャグシャっと掻き乱す。

慌てて髪を手櫛で直す潤ちゃんを待たず、レジへと足を向けた。