恋愛(学園)
完
雪涼/著

- 作品番号
- 990763
- 最終更新
- 2014/04/16
- 総文字数
- 81,650
- ページ数
- 43ページ
- ステータス
- 完結
- PV数
- 15,262
- いいね数
- 0
「チェルミ!おまえという娘はいったいなんということをしでかしてくれたのだ。」
「私は・・・私は何も間違ったことはやっていません!」
「まだ言うか!おまえの姉のミレイはおまえのせいで結婚話が壊れたといって、ずっと泣いておる。」
「お姉さまは信じてくれないだけです。
あの男は私の友達もベッドに引きずり込んだ悪いヤツです。
あんなクセの悪い男にお姉さまが傷つけられることこそ、泣いて済む問題じゃありません。
どうしてお父さまはわかってくれないの?」
「ワシは彼と会って話した。誠実な男だった。
きっとおまえの友達が無理やりに誘ったのだ。
だいたいだな。おまえはふだんからろくなことをしていなかった。
ご近所の建物は壊す、魔法学校で買っていた動物をすべて逃がしてしまう。
母が風呂に入っているときに、危うく火傷を負わせてしまうような湯を飛び出させるし・・・。
だが、まだ物を壊したり、人を驚かした程度なら、説教で済む問題だった。
なのにおまえは、とうとう姉の心を打ち壊してしまったのだぞ。
これはこの国の王族としての罪に値する。
よって、チェルミ・・・おまえは魔法の国から追放する。
そして魔力を半分没収する。
人間界へと流してやるから、魔法が使えない時間の生活をしろ。
反省後の審査は3年後。人間でいうところの成人式のときに行う。」
「お父さま、私の話を信じてください。
私は嘘など言っておりません。本当なんです!お願い、信じて・・・。
知らない国に飛ばさないで。お願いよ・・・お父さまぁあああああ!!!」
チェルミという魔女っ子17才。
魔法の国の第3王女であったが、姉の結婚相手を侮辱して姉の心を傷つけた罪として人間界へと飛ばされた。
チェルミは父が、母が、身内が信じられなくなった。
泣く泣く、人間界へと放り出されるというときに、長兄のナブラが学生時代の友人だったカリフが人間界で駐在役をやっているとチェルミに紹介文を持たせ、訪ねるように伝えた。
そして、このできそこないの魔女っ子チェルミは人間界で生活することになった。