小一時間歩いた頃。
道の先に細い小さな川が見てきた。その川に架っている石橋を渡ろうとした時だった。
「うわっ!」
急に突風が吹き、麦ワラ帽子が飛ばされてしまったのだ。
「やばっ」
帽子を追いかけ、今来た道を戻ると、道の脇にある細い小道に落ちた。
「?あれ、来た時こんなの有ったっけ?」
帽子を拾い上げ、被り直しながら直哉は小道を覗き込んだ。
「・・・」
一歩踏み出し、中に入って行くとそこには、草が綺麗に刈り取られその中心に小さな祠が建っていた。
「?神社?祠?」
「見掛けん顔じゃな」
中を覗き込んでいた時だった。後ろから、高い少年の声が聞こえた。
「!!」
直哉が後ろを振り向くと、そこには、自分より小さな少年が立っていた。
「何処の童じゃ」
少年は妙な年寄り言葉で、服装も小汚い浴衣の様なものを着ていた。
「童って、お前の方が子供じゃん」
むっとして言い返すと、少年は大口を開けて笑いだした。
「はぁはは!面白い事を言うな。中々根性は据わっとるし!しかし、見た目で判断する所は未々餓鬼じゃの」
「なっ!!」
「まぁ良い!餓鬼、わしとちと遊ばんか?」