あれは何だんだろう、やけにばあちゃんと仲良かったみたいだったけど、でも最後の方はとても苦しかった。
そんな事を考えながら歩いていると、祖母の家が見えてきたのだった。

なんじゃこりゃ
声には出さなかったが、直哉は内心でそう叫んだ。
「おぉ!おかえり直哉」
家の中は既にドンチャン騒ぎで、中心にはあのくまじぃが酒の瓶を片手にもうできあがっていて、他の十人以上の人たちもテーブルを囲んでいた。
「あら、お帰り、随分おそかったね」
かず子は玄関先に立ってる直哉を手招いて、テーブルに着かせた。
「あの、これは」
「おう直哉!今夜の主役がお出ましだ!今日はお前の歓迎会だ!どうだこの村には慣れたか!」
くまじぃは酒臭い顔を近づいて聞いていた。
「まぁ、なんとか」
「親父、うっさいよ」
出来るだけくまじぃと距離を置こうとした直哉の肩に、誰かが手を置いて言った。
「?あれ!優!?何でいんの?」
振り向くと、そこには昼に会った優が立っていた。
「お邪魔します」
首だけの挨拶をして、くまじぃから酒の瓶を奪った。
「あっ!なにすんだ優返せ!」
「またそんな飲んで!かあちゃんに怒られるぞ!」