この気持ちが解らなくて悶えていた。すると今までより一層強い風が吹き込んできた。

「・・・何なんだぁ」
「なにがじゃ?」
「!!?」
直哉はぱっと目を開けると、様子を伺うように風神が顔を覗き込んでいた。
「!どうした?」
「あれ?あれ?」
辺りを見渡してみたが、別に変わった様子は無かった。
「どうかしたか?」
風神も攣られて、周りを見渡してみたが別段変わった事は無かった。
「・・・いや、変な夢?夢を見た?」
「変な夢?どんな?」
「えっ・・・」
もしかして、今見た夢が風神の記憶ならと思うと直哉は話すか迷った。
「・・・いや、なんでもない」
結局考えて言わない事にして、話を変えた。
「てか、今何時だ!?」
「!知らん、太陽は沈み出したがな」
急に離しを変えられ、不審に思ったが風神は答えた。
「やっべ!なんで起こしてくれなかったんだよ!」
「知るか!無礼者!何故ワシが起こさなくてははらんのだ、暗くならん内にさっさと帰ってしまえ!」
風神は強い口調ながらも、そんな事をいうと、風の中に消えていってしまった。
直哉はその様子を見て、少し笑いながら祠を後にした。
帰り道を歩く中で、直哉は先程見た夢を思い出していた。