かず子はそういうと、背を向け草むらの中に消えていった。
なんだこれ?ん?てか、かず子?
直哉がこの状況の意味が解らんず、首を傾げてるとまた強い風が吹き、視界が遮られた。
『また来ちゃった』
目を開けると、先程帰っていったはずのかず子が目の前に立っていた。
『村の人たちって結構よそ者に厳しいからさ、話してくれるのカゼだけなんだよね』
かず子は少し苦笑いを浮かべて、視線を足元に落とした。
何のことだ?
直哉は、声に出している筈なのに、かず子には全く聞こえてない様子だった。
『!ありがと、カゼは凄いね君と話していると、元気が出てくる』
かず子はそう言うと、満面の笑みを此方に向けた。
『また・・・来るね』
すっと、かず子は手に触れてきたが、直ぐに離し先程と同じ様に立ち去った。
何なんだ!どうなってんだ?てか、かず子って・・・俺のばあちゃん?いや、まさか・・・だってアイハラって言ってたし
訳の解らないまま、夢は進み、かず子があや取りで遊んでいたり、トマトを持ってきてくれたりと色々な場面が流れてきた。
何度目か場面が変わり、少し冷たい風が吹く中かず子が立っている場面に変わった。
『カゼが「風神」様だったんだ』