「あぁ、あるぞ、例え肉体が滅びても、魂は輪廻転生、肉体の死しても魂には良い教えとなる」
「?なにリンネ・・・?」
「知らんのか?まぁ、良い良い、難しい話は無しだ、出会ってしまったのは運命だと言う事、意味は何時か必ず解るよ多分な」
「多分ってなんだよ」
「はははっ、そうだ!童の名前を聞いていなかったの、名は何と申す」
急に話を変えて、風神は明るい声を出した。
「えっ、直哉だけど」
「ふん、何なおやじゃ?」
「香坂、香坂直哉」
「香坂・・・、もしや親戚か何かに香坂かず子は居るか?」
風神は今までの笑顔が嘘の様に、真面目な顔で質問してきた。
「?香坂かず子は俺の祖母だけど?」
直哉もその雰囲気に呑まれ、伺うように答えた。
「なんと!あれに孫が出来たとな!・・・はぁ、自分自身が年を取らないから感じんが、そうか、あれからそんなに時が経つか」
風神は、一人で納得した様に、何度か頷きながら呟いた。
「祖母の事知ってんの」
「あぁ、なおやより少し大きい位の頃に少しな」
「ふぅん」
「よし!なおや!遊ぼうぞ!」
沈み掛っていた雰囲気が一転、風神は大声で言い出した。
「はぁ、やだよこんな暑い中・・・」