晴美が雪美を一番に見つけた。「おねえちゃんだ!」
「!!雪美!」
父も晴美の声の方を見て、雪美を見つけた。
二人は直ぐに雪美に抱きつき、晴美はまた泣き出してしまった。
「心配したぞ!」
父は雪美の顔を見て怒鳴ったが、直ぐにまた抱きしめた。
その後は、少年に話したように今までの事を全部ぶちまけたのだった。最後の方は涙声でちゃんと言えたか分からないが全部を言った。
「そうか・・・雪美!すまない本当にすまなかった、お前にばかり全てを押し付けてしまって」
抱きついた父は、涙声で雪美に謝罪してきた。
「!」
「これからは、父さんが頑張るから、雪美に負担が掛らないようにするから、な」
「んん!別に家の事は嫌じゃないよ、只ね時々は学校帰りに友達と遊んだり、休みの日に出掛けられたらなって」
父が自分の苦労を理解してくれた事が嬉しくて、雪美は目頭が熱くなった。
「おねえちゃん!あたしも、あたしもてつだうから、ね!だからおこんないで」
泣きながら上着の裾を引っ張りながら、晴美は言った。
「晴美、ありがと、さっきの大丈夫だった」
雪美は晴美の頭を撫で初めてこの時に、家族がとても愛しいと感じた。