言わなければ解って貰えんのよ」
雪美がまだ踏み出せなく、迷っていた時、少年は肩に軽く手を乗せ、笑顔を向けた。
「嫌だと言って父親に嫌われたらと不安なんじゃろ、しかしな、親にとって子供は大事な存在じゃ、言わないで我慢していたと知れば、親はもっと悲しむぞ、何でも言えるのは子供の特権、大丈夫。おまえの親じゃ、ちゃんと解ってくれる、な」
「本当に・・・本当にそう思う?」
雪美は、涙ぐんだ目を少年に向け、か細い声で聞いた。
「あぁ、本当にそう思うよ」
少年は一層笑顔を深めて、肩をぽんと叩いた。
「さぁ、日も暮れてしまったし、心配為ているだろから早く帰りなさい」
少年に促され、雪美は着た道を戻る為踵を変えたが、少年に振り返った。
「・・・あなたってだれなの」
今更ながらの質問を口にした雪美は、少年を見据えた。
「直ぐに解るさ、さぁ、早く帰りな。ワシが見守っておるから」
少年は含み笑顔で手を振った。
「・・・ん、ありがと」
雪美も手を振り返して、すっかり暗くなってしまった道を、一歩一歩踏み出した。

家に着くと、多くの村人皆が集合していて、その中で父が店の前を右往左往して、晴美も店から顔を出して辺りを見渡していて、