それからどれくらいの時間が経ったのか、太陽は沈み欠け辺りが暗くなりだした。
「・・・少しは落ち着いたかの?」
久しぶりに大声を出して泣いたので、喉が痛く、声ではなく、頷いて答えた。
「さて、では、女童よお前はどうしたいのじゃ?」
「・・・?どうって?」
「この状況がこのまま続きたいか、否か」
「えっ・・・」
「先程、もう我慢するのは嫌だと言うたから、我慢せずな、今言った事を話せば良いではないか」
「でも、でも、そんな事言ったらお父さんが困る・・・」
父親の悲しみを間近で見た雪美には、そんな事は言えないと思った。
「なにも全てを放棄しろとは言っていない、お互いに話し合い、良い案を出せば良いのでは」
「良い案・・・?」
「そう、例えば、店の手伝いは一日置きや、夕飯は交替で作るとか、さすれば、女童は少しは友と遊べるのでは?」
「・・・!」
雪美は、目を輝かせ顔を上げたが、直ぐに伏せてしまった。
「でも・・・」
「子供が遠慮をするものではないぞ、嫌なら嫌と伝えるのは決して悪い事ではない。自分の親でも、血を分けた兄弟でも『他人』なんじゃよ、自分の気持ちを組取れるのは自分自身しかおらんのじゃ、だから、