「どうしたんだ!?」
その泣き声に驚いて、店から父が飛んで来た。
「あぁぁぁぁ!おねぇ、おねぇちゃんが!」
「雪美!何をしたんだ!」
その状況を見た父は、あからさまに雪美が悪い様な目で見てきた。
「・・・!!」
雪美はその父の目に、カッと頭に血が昇った。
「泣きたいのはこったの方だよ!」
雪美はそう言い残すと、駆け出して行った。
何で!何で!何で!何で!何で!何で私が怒られなきゃなんないの!私は悪くないじゃん!目頭が熱くり、走っているせいか、息も上がってきた。
「はぁ、はぁ」
ふっと足を止めると、またあの祠に通じる細い一本道の前にいた。
「はぁ、はぁ・・・」
その時、先程とは違う優しい風が吹いた。まるで中に誘っているような、そんな優しい風だった。
雪美はまた、その道に足を踏み込むと、祠の前に少年が既に立っていた。
「またか、次は本当に泣いているな」
「・・・」
「まぁ、此方にきなされ、此処で会ったのも何かの縁。良かったら、話を聞かせてはくれんかな、聞くしかできんが、話て楽に成る事もあるやもしれんし、如何かな」
少年は優しく微笑むと、手招きした。
「・・・」