「・・・あの、他の三人は?」
直哉は辺りを見渡し、晴美たちの姿が見えない事に気が付いた。
「みんなは、川に遊びに行ってるわ」
「あっ、そうですか・・・えっ!?」
って事は今俺と雪美二人っきり!!と、結局誰かいるパターンに慣れて油断していた直哉は、焦った。
「どうかした?」
「いえ」
あたふたする直哉を不思議に思いながら、雪美が声を掛け、落ち着こうと直哉は麦茶をイッキ飲みした。
「・・・お代わりいれる?」
「お願いします」
空いたコップに麦茶を注ぎながら雪美は話始めた。
「あのね、さっきの話なんだけど」
「はい!・・・さっき?ですか?」
「そう、変な喋り方をする子供話なんだけどね」
「あぁ、ぁはい」
なんだその話か、と直哉はため息を付いて、ヤッパリお約束かと雪美に向き直る。
「やっぱり知っていたんですか?」
「・・・えぇ」
雪美は、自分のコップに口を付け、一呼吸置いてから話出した。
「信じてくれそうにない話なんだけどね、直哉くんが会った子供はね、多分風神様だと思うの」
「?」
んん?フウジンサマ?何だ?と思いながら直哉は雪美が話出すのを待った。