雪美はみんなの様子を不思議に思いながら、カードに判子を押していく。
「ゆきねぇ、ここら辺に変な喋り方する子供知ってる?」
晴美は、カードを差し出しながら、雪美に聞いてみた。
「変な喋り方?」
「はい、自分の事をワシとか、俺の事ガキとか、語尾にじゃとか、古臭い感じで」
「!!」
雪美は、目を見開いて直哉をみた。
「直哉くんその子に会ったの?」
「!知ってるんですか」
「えっ、んん良く分かんないかな?」
明らかにはぐらかした感じで、三人に判子を押し終えた。
「雪美!俺先に帰っからな!」
急に雪美の背後で一人の男が声をあげた。
「あ、はぁい」
バイバ〜イと手を振って見送り、他の三人も手を振っていた。
「あれ誰!」
雪美を呼び捨てにするあいつは誰かと、隣にいた優に聞くと、ニャっと笑われた。
「あの人はゆきねぇの幼なじみだよ」
「えっ!」
チキショ、雪美に集中為ていた直哉は男の存在に全く気が付かず、見逃していた。
「でも、付き合っている話は聞いた事ないな」
「!!マジ!」
よぉし、と小さくガッツポーズをする直哉に優は笑った。
「・・・なんだよ」
「マジで狙ってんの、ムリでしょ」