涼しい顔をした三人は、直哉の様子を面白がっていた。
「・・・処で、今日って全員いんの?」
息を整え、周りを見渡しながら直哉は聞いた。
「う〜ん」
「全員、いるね」
「えっ、マジで」
首にぶら下げている、カードに判子を貰うため子供が列を成して待っている姿を、少し離れた所で四人はその光景を眺めていた。
「・・・?」
「どうかしたの?」
不服そうに首を傾げて、眺めている直哉に晴美が声を掛けた。
「いや、いないんだよ」
「なにが?」
「ここに来たばっかりん時に、すっげぇナマイキなガキがいてさ、多分俺より下だと思うんだけどなぁ」
「へぇ、他に特徴は?」
「んん、変な喋り方だったなぁ、後!変な格好だった」
「変なって、どんな?」
哲も興味を引かれたようで、話に参加してきた。
「なんか、着物?っぽいの着てた」
「えぇ?ここら辺にいる?そんな子」
「お前と同じ、都会組じゃねぇの?実家に遊びに来た」
「いや、それは無い!あいつ俺に向かって初めて見る顔だなって言ったし」
「んん?」
みんなで首を傾げ、考えていると、判子を押し終わった雪美が来た。
「どうしたの?判子押すからカード貸して」