「あっ、直哉くんこんばんは」
雪美さんの家に向かうと、そこにはおまけの三人がいた。
「・・・まぁ、解ってたけどさ俺だけじゃないのは、大体パターン掴めてきたよ」
直哉は肩を落とし、はは、と一人で笑うとため息を着いた。
「どうかした?」
「いえ、」
雪美さんは首を傾げた。
「雪ねぇ、早く行こう」
哲は、雪美の袖を引っ張り、促した。
直哉はその行為にムカっと思い、哲から引き離すように、割って入った。
「これからなにをするんですか」
「ふふ、秘密。さ、行きましょ」
雪美は直哉の手を取ると、歩き出した。
昼間の暑さが嘘のように涼しい風が吹いていた。田んぼの真ん中にある砂利の一本道。雪美たち五人は懐中電灯を照らしながら進んでいた。
直哉は雪美と繋いでいる手に全神経が集中してしまい、自分の手が汗ばんでないだろうか、不安になっていた。雪美と繋いだ手を横目で見ていると、雪美と目が合った。
「ん?どうかした?」
「い、いえ」
「あっ、何時までもごめんね、手なんか繋いで恥ずかしかったね」
「いえ!そんな」
離された手が、風に晒されて、自分の手が熱を持っていたことに今更気が付いた。
「さ、もう少しよ」