二段のお弁当は、一段目におにぎりが入っていて、二段目は唐揚げや玉子焼きなど、定番のオカズが沢山入っていた。
「いっただきまぁす!」
直哉以外の三人は、手を合わせから食べ始めた。
「直哉くんどうかしたの?」
近くには来たが、お腹が回復してなく、お弁当に手が出せない状態だった。
「いえ、なんでも」
「直哉、飛び込みで腹から落ちたから痛いんだってさ」
哲が、おにぎりを頬張りながら言った。
「へぇ、崖から飛び込んだんだ!始めてなのにすごいね!」
本当に目を丸くして、雪美は驚いた。
「いや、そんな」
「てか、ビビって結局優と哲に落とされたんだけどね」
「しかも!これは殺人未遂だぞ!!って、大袈裟でやんの」
晴美と哲が大笑いしながら、面白ろおかしく話しだした。
「お前らっ!」
雪美の前で、暴露された直哉は顔を真っ赤にして、二人に抗議した。
「あははは、でも飛び込むの楽しかった?」
ふと、雪美に問掛けられ一瞬言葉に詰まった。あんな経験出来れば二度としたくない、でもこいつらにはこれが楽しい、直哉にとってこれは、遊びになるような事だろうか、飛び降り自殺を連想するのは自分だけなのだろうか、と自分と彼らの感性の違いを思い知った。