「ビビりかぁ?」
他人にバカにされた事がない直哉は、あまりにも腹が立ってしまい、売り言葉に買い言葉で
「解ったよ!飛んでやる!飛べば良いんだろ!!」

崖に立つと、その高さに正直ビビった。
「・・・マジかよ」
下を見ると、川が小さく見え直哉は、意識が遠くなる思いだった。
「どうしたの!!早く飛びなよ!」
下にいる晴美は、茶化す様に声を掛けた。
くそっ!なんでこんな事に、無視すれば良かったのについ、口車に乗せられてしまったと、今になって後悔が押し寄せてきた。
「クッソ」
やばいぞ、下手したらマジで死ぬかも。
直哉の頭にふっとそんな言葉がよぎった。
てか、この高さから飛び降りるのに慣れたら、飛び降り自殺とかって、簡単になっちゃうのかな
「・・・」
自殺何て考えた事はない。けど、別にやりたい事が有るわけでもなく、未来への希望もない自分は今死んでも、其ほど悔いはないのかな、なんて、極限状態の直哉の脳は現実逃避な思考回路に陥っていた。
「おい!」
「早く飛べよ!」
直哉が考えてに耽っていると、いつの間にか後ろに優と哲が立っていた。
「えっ!?」
声に振り向く瞬間に、二人は直哉を押した。
「へっ?うわぁぁぁぁ!!」