「そうだったんですか」
ということは……斎藤さんはこちらの味方ということか。
「それで、どうすればよろしいのですか」
「あぁ。斎藤には、何か情報を掴んだらすぐお前か小松に知らせろと言ってある。だが……お前も分かるだろう、こちらの動きを向こうに知られれば終わりだ」
「はい」
副長はそう言うなり、意を決したように俺を見つめた。
「裏に玄関がある。夜になったら、そこの一番近い部屋に行け。その部屋についている小さな扉から、外の様子が見えるはずだから、もしも斎藤が来たらそこから聞いて、すぐ俺に知らせろ」
「はい」
「お前の場合、他の仕事と両立しなければならないが……小松だけに任せるわけにはいかないからな。大変だろうが、頼んだぞ」
「承知しました」
そう言うと、俺はさっそく仕事へ向かった。