──
───
────



それから数日経って、副長に呼ばれた俺はその部屋へと向かった。




「副長、お呼びですか」


「あぁ。入れ」




スッと障子を開くと、副長の後ろ姿が視界に飛び込んでくる。


副長は俺が入ったことを確認すると、筆を机の上に置き、こちらに体を向けた。




「御陵衛士の件で、少し話がある」


「はい」


「実はな……斎藤を、新選組の間者として向こうに送っていたんだ」




その言葉に驚いて、少なからず動揺した。


それは、どういう……




「言っていなくてすまなかった。これは、俺と局長の間で極秘とされててな」