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それから数日後。


京を監視していると、あることに気付いた。


それは、長州の者が京を出入りしているのでは、ということ。


昨年、“八月十八日の政変”と後に呼ばれる、長州の者を京から追い出す事件が起こった。


それなのに、出入りするとは如何なものか。


俺は小松と一緒に、その事件について調べていった。


調べにより分かったことは、やはり、長州を始めとする倒幕派が何かを企んでいるということ。


その“何か”は、副長の拷問によって吐かれるだろう。


……と、思っていたが、拷問はなんと小松がやることになったらしい。


副長によると、小松は自ら拷問をしたいと言ったという。


だが、何故?


しかし、本人はもしかしたら気付いていなかったかもしれないが……拷問の際、小松の手は震えていた。


まさか無理をしてやっている?


それとも、俺らの味方だと証明するため、か。


もしもそうであれば、小松は、俺達が信じていないという本心をもう分かってるということだ。






──頼ってほしい、と。


俺が、俺自身の手で小松を守りたいと……思った。