実はこの学校は元男子校だったのだ。

だから男子の割合が多く、
女子は大人しい子が多い気がする。

そして男子は自由気まま。
というか、ガキ。

ったく、冗談じゃないよ。


「よぉ。おてんば!」


後ろから頭をたたかれる。

竹中だった。


「痛いな。朝からやめてよ。おてんばもやめて。」

「ったくいちいち注文が多いな。そういえば、今日気づいた事があるんだけど。」

「何?」

「お前さ。今朝、靴箱に手紙が入れられてなかった?あれ何?」


手紙?


「手紙?何それ?知らないよ。」

「え…」

「おはよー!」


竹中の台詞を遮り、
私の首に何かがしがみついてきた。


「うるさいなぁ。」
「うるせぇな。」


私と竹中が同時にそいつを睨む。


「二人とも怖ーい。あのね、あのね!今日自販機でジュース当たったんだよ。」


こいつは亮介。苗字は…忘れたけど、とりあえず亮介。


「すごいじゃん!私の分?!」

「うん!あげるね。」


私にグレープジュースの缶を差し出す。


「ごめん。これ、私苦手…。」

「うそー!ごめんね!知らなかった!!」


男なのに女みたいなやつ。
私によくなついちゃってるみたい。


「竹中。あげる。」

「お。やりっ!」


最高にまぶしい笑顔を見せ、
亮介の頭をなでて、


「せんきゅー。」

「どういたしまして。」


二人で微笑みあっていた。







…なんだか、亮介の方が私より女扱いされてる気が…。