「寧々、悪かった」


翔ちゃんは悲しそうに私に謝った。
私はすぐに首をふる。

翔ちゃんは悪くない。何も・・・悪くない。
すべて私が悪い。

私が気持ちを伝えていれば・・・。


「翔ちゃん、少し頭冷やしてくる」

「ああ。言っておく」


流聖が他の子と付き合ったことはショックだった。
けれど、それよりも流聖に気持ちを伝えられなかった方がショックだった。

私は急いで屋上へと向かった。