ヒナを 抱き締めて はじめてわかった。


自分で思っていたよりも…ずっと不安だったこと。


「ヒナ 痛いか?」


「うん。ちょっとだけ…」


「ゴメンな。でも もう少しだけ…我慢して」


「ダイちゃん、なんだか 今日ヘンだよ」


「俺がおかしいのは いつものことだろ?」


強気なセリフに似合わない小さな声しか出てこない。


いつもとは違う俺の様子に気づいたのか…


ヒナも俺の背中に手を回して、シャツを強く握ってきた。


「ヒナ……」


「なに?」