最後まで美樹は 自分のスタイルを貫き
「嘘なんて言ってないわ。わたしの言葉が 信じられないなら…やっぱり あの子に直接 確かめるしかないわね」
強気な姿勢を見せ続けた。
その後 俺はこれ以上 美樹の顔を見たくなくて
「帰れっ!」
部屋中に響くような大声を出し、怒りをぶちまけた。
美樹は しばらく俺の顔を見ていたけど、玄関の方にとぼとぼ…と歩いて行く。
「失って…はじめて気づくモノがあるわ。わたし…別れた後も 大地のことが本当に好きだった。それと…今の大地、どうして そんなに必死なの?そんな顔…大地には似合わない」
────バタン…
ドアが閉まる直前、強気だった美樹が 寂しそうな表情に見えた。
その時だけ さっきまで見せていた…高圧的な態度が 嘘みたいに思えたんだ。