「はっ?お前 いつの話してるんだ…」


俺たちが別れたのは、確か大学2年の3月。


もう4年も 前のことだろ?


冷めた瞳で 美樹の顔を見た。


すると一瞬、美樹が白い歯を見せた。


「クスッ 大学時代の話じゃないわ。昨日の…夜のことよ」


俺の目を見つめ返す…美樹の真剣な瞳。


「昨日の夜?」


記憶を完全に失くしていた俺は『嘘だろ?』って、すぐに 言い返すことができず


その目を黙って、見ることしかできなかった。



「こんなふうにね…」