「大地、どこに行くのよ」
その声を無視して、走ってキッチンに行くと
「やっぱり アイツ 来てたんだ…」
テーブルの上に俺の疲れを吹き飛ばしてくれる…ヒナの手料理が並べられてあった。
ヒナ…いつまで ここで待ってた?
俺が 好きだと言ったクリームコロッケには ラップがかけられていて、指で触れると冷たくなっていた。
それを呆然と眺める俺の隣に美樹がやって来た。
「昨日はビックリしちゃった。大地が まさか女子高生と遊んでるなんて、思いもしなかったから。なんか 意外だったなぁ…」
「お前 なに言ってんの?」
「確かにかわいい子だったけど、遊びにしたって 大地のシュミじゃないでしょ?」
「……遊び?」
「クスッ…そう 遊びよ。だって 大地は 誰にも本気になれないじゃない?」