10年振りに俺たちが再会を果たした…ヒナが通っている高校だった。


「…ダイちゃん?」


黙ったまま俺はヒナの手を握り、お前が教えてくれたあの場所を目指す。


図書館に通じる…細い道は、あの時と同じように静かな時間が流れていた。



その中で変わったことがあるとすれば



今、握っている小さな手が、あの頃より 少したくましくなったことかな?


この手を俺は絶対に…離さない。


この時 そんな気持ちを込め、ヒナの手を強く握って歩いた。