「さっきから2人で なにを喋ってるの?」


俺と藤崎の会話が気になるのか…少しずつ俺の顔に接近してくるヒナの顔。


『じゃあ 切るから』


『ハハッ 自分の言いたいことだけ言って 自分勝手な人ですね。あの…最後に1つだけ、オレも言いたいことを言ってもいいですか?』


『なんだよ』


『泣かしたら黙ってませんよ…』


『うるせぇよ。ちゃんと約束する』


語尾を軽く上げて 冗談ぽく口にした藤崎だけど、本当にそう思ってるのが…伝わってきた。


───ジーッ…


隣から2人の話に入れない…ヒナが拗ねたような目でこっちを見ている。


その視線を 完全無視して


『じゃぁな』


『…じゃぁ』


藤崎の気持ちを感じながら電話を切った。


「あぁ 切っちゃった!もっと先生と喋りたかったのに~」


「アイツと何を喋るっつうんだよ!」