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大学の門を出ると、赤いレンガの塀にもたれ…足元にある小さな石を蹴っているヒナがいた。


「見てきた」


「それで…結果は?」


不安そうな目で俺を見るヒナは、雨の中…濡れている子犬のようで。


その目をしっかりと見つめて


「お前 すげぇ頑張ったよ」


「…えっ」


勉強を教えていた時、1度も言ってやれなかった言葉を伝えてやると


「ぅっ…っ…。ダメだったんだぁ」