大学に到着するまでの間 車内で、ヒナが何度も息を大きく吸っては吐き…


気持ちを落ち着かせようとする。


「ふぅ…はぁ……」


「何回、深呼吸すれば気が済むんだよ」


「だって すごく緊張しちゃって」


いつになく…落ち着きがない様子も


それも全部…俺のためで。


「しっかり握ってろ」


スカートの上でお祈りのポーズをしていた手を大きな手で包んでやると


「……ダイちゃん」


ヒナもその手を強く握り返してきた。